日本からの師範

 時々アメリカにも日本の著名な師範が稽古セミナーをしに渡米してくることがあります。ホストのアメリカ人師範が招く場合が多いのですが、その手のセミナーには100人規模の参加者がお金を払って、全米各地から駆けつけるそうです。
 日本人師範は別に英語が喋れるわけではありませんから、多分どなたかが通訳をするのでしょう。その手のセミナーに参加したことがあるアメリカ人とこの間話をしていたんですが、セミナーで指導してくれる師範が説明したいことを100人の参加者が全員聞き取れるわけでは無いそうです。しかも通訳を通してなので明確に意図したことが伝わるわけでもありません。時には結局何を話していたのかよく分らないまま稽古が進むこともあるそうです。私自身は参加したことが無いので、聞いた話になりますが、折角参加した稽古セミナーがそんな感じでは、もったいない気がします。
 セミナーに来てくれる師範にもよりますが、内弟子を何人も連れてきて、稽古では内弟子の人に受け(受身を取る人)をしてもらうこともあるそうです。稽古に参加した現地の人を使わずに、内弟子だけを受けに使う場合、折角きてくれた師範の技を感じる機会が少なくなってしまってもったいないと、嘆いていました。