演武も合宿もない

 最近あれこれとアメリカでの合気道のことを書き始めたので、まだしばらく書ける範囲でつづってみようと思います。あくまで私が観察したことでしかないので、地域によって、人によって違うところはあると思いますが、そこは悪しからず。

 以前にも書いたかもしれませんが、アメリカで合気道の稽古を始めて、日本での形態との違いをいくつか感じます。そのうちの一つに演武があります。稽古を再会してから、おおよそ1年くらい経つんですが、今まで一度も演武会というものがないんですね。あるのは日々の稽古、そして"セミナー"です。各道場ごとに、大体年に一度セミナーを開いているようです。道場の上部組織の指導員や、師範を招いて、参加費をとって週末を使って稽古をする。その後懇親会で飲んで交流するというパターンです。演武をして人の技を見るという習慣はなくて、それよりも普段教えてもらえない高段者の指導を受ける、というほうが価値があるのかもしれません。アメリカでは稽古人口は全体では多くても、それぞれの町にある道場は小さく、お互いに離れていますし、師範クラスの先生が身近にいるわけではありませんから。日本では色んな武道がありますから、練習場も充実していて、どんな公共施設にも柔道場が大抵あります。温泉地に行って合宿、なんてすぐにできますが、アメリカではそれぞれの道場が自前で建物を借りて畳を買って道場を作って練習するくらいなので、合宿をしようと思っても他に行く場所はありません。そういうこともあって合宿も演武もなく、稽古セミナーがあるのだと思います。
 ちなみに、道場長のVicにこの国では演武をする習慣はある?って聞いたら"何それ?"という感じでした。そりゃそうだ。