ロスジェネ

 団塊ジュニアに当たるいまの40代半ばの人たちは就職難やその後の就業環境の変化から、ロストジェネレーション世代(就職氷河期世代)と呼ばれていますね。この世代は人口がそれなりに多かったのと、当時の文部省の方針の変化もあって、アカデミアでも大学院生の入学枠が増えたりして博士課程に行ったものの、最終的に安定した就職先が無くて困るケースも結構ありました。ポスドク問題として認知されています。実際最近でも職が無くて自死したニュースを最近でも聞きました。アカデミアに限らず、大学卒業後の就職歳として派遣社員という選択肢が広まった世代でもあります。技術系の職であっても派遣社員として登録して、後々転職するというケースも多々あります。いいキャリアアップができればいいのですが、うまくいかないケースもあるでしょう。

 年金に関しては、この世代以降は年金受給額が減っていくということは、殆どの人たちにとって自明なことだと思います。だから、金融庁の金融審議会の報告書の内容も、まあそうだよねという感想しかありません。ただ、改めて「お前ら2000万円ためておかないと老後はまともな生活ができないよ」と麻生太郎にエラそうに言われると腹が立ちます。

 

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 しかも、審議会の報告書の受け取りを拒否するという話ですが、これもおかしな話で、数十人の専門家がかなりの時間を割いて議論を積み上げて作り上げた報告書が闇に葬り去られるとすれば、彼らの労力とそれにかけた時間、お金は一切無駄だったということになります。こんなことになるなら、初めから参加しなかっただろうし、自分が審議委員の立場だったらやるせない気持ちでいっぱいでしょう。せっかくなので全部どこかのWeb上にコピーしてずっと公開してほしいところです。今のところ金融庁のHPに置いてあります。

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 なんで却下したのかといえば、世論の反発が強いと感じたからなんでしょうね。だから、このまま報告書を政府が肯定し続ければ、その恨みは自民党に来るという話なんでしょう。肯定しても否定しても結局今の40代以下が置かれる状況は全く変わらないのですから、何をしても白けるだけです。

 結局のところ、60代くらいまでで稼げるお金を、どうやってその後死ぬまでの期間に平均化して細々と暮らすか、ということを考えなくてはならないと思うと、夢がない社会だなぁと思います。それか、何か個人事業をコツコツ始めてうまく回るように若いうちからしていくかしかないでしょうね。なんというか、今はライススタイルも、人生設計も昭和的なスタイルから脱却しきれていない、ある意味過渡期なんでしょうね。

 なんか面白いことやるにはいい時期かもしれません。