ネツゾウにおもう

 京都IPS研究所の任期付き助教がデータねつ造したというニュースがありました。お前もか、という感じで報道されて山中さんが謝罪し、所長をやめるかもしれないという話も出ていますが、同じ研究者としては悲しい思いしか感じません。根本的にねつ造をする時点でアウトなんだけど、それで一つ研究所をつぶすとか、所長が引責するというのはやりすぎです。どんどん研究できる環境が減っていっている昨今で、一つの問題がその組織全体に波及するというのは健全でない気がします。前提としては、捏造が筆頭著者(もしくは共著も含めて)自身の手で行われていて、組織的なものではなかった場合の話です。

 じゃあ、神戸理研の時と何が違うのかと考えると、後処理(検証)がどれくらい丁寧にされたのかがポイントになる気がします。おそらく神戸の時も個人の不正だったんだろうけど、予防防止のシステムもなければ、論文自体も複数の人が断片的にかかわっているだけで、むしろ捏造をしやすい環境にあったのかもしれない、と想像してしまします。

 おそらく京都IPSにはオボカタ事件以降、不正防止のシステムを構築し、不正予防の教育もしていながら起こったのでしょうから、個人にペナルティーを課して次に進む、という形に落ち着くのが妥当だろうと思います。

 ただ、ここまで考えてTmに言われたのは、この研究予算はどこから来ているのか?という話。IPS研究所は国からの研究費以外にも一般からの寄付も受けて研究しているそうで、それに対しては研究所も説明していかないといけませんね。まあ、これは国からの研究費であっても同じなんだけど。

 

 今回問題が発覚した論文の著者は36歳、任期付き助教ですから、これからどうするんだろうなぁ。もうアカデミアに残れるはずもなく、名前も写真もネット上に残りますから、今後どこで受け入れてくれるのか、どうやって生きていくのか。。。