違い

 兄弟でもYuとShunはかなりタイプが違うように感じます。Yuは話をよく聞いて、自分が納得いってから行動し、着実に行動していくのに対して、Shunは話を聞いているのかよくわからないまま、全然違う方向に行動していくのですが、最終的に出来上がるものは的が外れたものではなく、むしろいいものが出来上がります。話を聞いていないように見えて、きちんと話の本質を理解しているようです。

 ぶっ飛んだ行動をするように見えるShunも、行動原理がはっきりしていて、よくよく話を聞くとなるほどと思うような理由がちゃんとある。間違いを指摘すると、絶対に意見を曲げないという意志とともに反論します。しかし、納得のいった時点できちんと同意してくれます。これも成長の段階の一つなのでしょうが、悶々と抱えていくのではなく、アウトプットを結構早い段階でしてくれるのは助かります。何をしようとして何ができるのかが見ていてわかりやすいからです。これがずーっと無反応な子供だと、こちらもかなり辛抱強く待たないといけません。

 Yuは新しい環境に身を置くと、始めは距離を置いて、様子を見てから自分の立ち位置を見つけるようです。着実に自分の位置を確保して、正しいと自分が思うことができる位置に試行錯誤しながら行こうとしているように感じます。その中で、自分がやりたいことを見つけて行ったり、気の合う仲間ができたりするような感じです。彼のいいところは、自分より上位の人間(先生とか、親でも)の行動もちゃんとよく見ていて、正しくないことや理不尽なことは良くないと言葉で説明できることです。学校での出来事やトラブルの話を聞くと、割りに事実通り説明してくれます。

 Shunはあっという間に新しい環境に突入していきます。これはまだ小さいから周りのことをあまり気にしないからかもしれませんが、自分がやりたいことと感じたら、恥ずかしさや気後れはなくどんどん行きますし、知らない人にも声をかけることができるようです。これはある種天性の才能で、はっきりと自分の意志が示せるというのはなかなか大人になるとできなくなるので、こういう才能をつぶさないようにしたいものです。

 同じ親から生まれた兄弟でも結構違うのね、と自分自身のことも振り返りながら思うこの頃です。これが、成長していくにしたがってどこかで慎重派になったり、疑い深くなったりするのかもしれませんが、いろんな段階を踏んで大人になっていくんでしょね。

 気を付けないといけないことは、子供のころの性格と、大人になってからの性格は結構違ってくるということです。ひょうきんな子供が大人になっても同じようにひょうきんな人になるかというと必ずしもそうでないし、大人しい子供時代の人が大人になって同じように大人しいとは限りません。ひょうきんな子供は心の内には別な思考回路があってそれが子供時代には言葉にできるほど成熟していないだけということもあるし、大人しかった子供は、実は心の内ではもっとおもろい表現を沢山抱えていたのかもしれないからです。子供の場合、その瞬間の性格や人柄を見てもそれがずっと同じとは限らないように思います。