サバイバル

 広島の中3自殺の事件、なんなんでしょうね。理解できないところが多すぎてため息が出ます。いまだに中学校ってこんな感じなのかと思うと、自分の子供の数年後を憂えてしまいます。私が中学生だった頃はもう四半世紀前ですが、当時通っていた中学校は、随分荒れていた学校でした。

 記憶が正しければイジメはクラスに1-2件はコンスタントにあったし、ヤンキーはうろうろしていたし、休み時間にターゲットにされているいじめられっこを廊下で見ることもありました。ヤンキープラスαくらいの割合はボンタン+短ランを着ていたし、1学年に数人はヤンキー四天王みたいなのがいました。トイレでたばこ、そこらじゅうに唾を吐くみたいな、典型的なヤンキーは一定数いたし、当然トイレは汚い。OBの暴走族が4時間目が終わるころにバイクで校庭に乱入なんてことは日常的にありました。学校の隣の駄菓子屋はヤンキーとヤンキーOBのたまり場になっていて、バイクの改造をしたりしている脇を下校する感じでした。1度だけ、市内の他の学校で集団リンチで殺されたようなケースも聞きましたし、カツアゲはわりに日常的にあったようです。一学年10-12クラスあった時代ですから、一部の生徒はこういう感じで、ただ大多数は普通の生徒だったのですが、大分こういう状況になれてはいたような気がします。

 先生のほうも問題が多い先生がいて、体罰も多かったし、宿題を忘れただけで殴られて鼓膜が破れたとか、もみあげをつままれて血が出たとか、耳をつままれたまま持ち上げられて耳が一部切れたとか、書道の時に文鎮を落としたら文鎮の門出脳天を力いっぱい殴られたとか(これはやられた)、セクハラ、ここでは書ききれないほどいろいろありました。スクールウォーズまではいかないけど、そういう学校って地方の公立中学は大なり小なりあったんじゃないかな。その後ここは軍隊かというくらい厳しい生活指導が新入生にだけ入るようになって、荒れていた学年が卒業するにしたがって不良は淘汰されていったようで、確か私の数学年下からは落ち着いていったと聞きます。

 こんな中学校をよく生きぬけたなと、今頃になって思いますが、当時は子供に選択肢なんてないし、いやでも学校は行かなきゃいけないし、逃げ道はないですから、何とかするしかありません。今も思うことですが、中学校っていいうのは楽しく過ごせる時代じゃないですね。楽しく過ごせる人もいたのかもしれないけど、何とか生き抜いて3年間過ごさなきゃいけないのが中学校という場所かもしれません。

 中学生は(小学生もだけど)逃げ道はない。その学校しか行けないし、その環境でしか過ごせません。それは学校のスタイルは多少変わっても同じ。それで、校長以下教員たちにああいう対応をされたら、追い詰められるだろうなというのが率直な感想です。

 

 これとは別にもう一つ不思議なのは、それにしても自分が万引きしていないのに、生活指導(?)を受けたときになんで否定しなかったのかということ。いくらなんでもやっていないことくらいやっていないと言えなかったのかなぁ。それほど先生の圧迫が強かったのか、それとも周りの生徒の目が厳しかったのか。自分の意見を言えないように日本の教育環境は教育していくから、その子だけの問題ともいえないと思います。