アメリカの幼稚園での英語教育

ちょっとまじめに書いてみる。今6歳の息子は、4歳のときから2年間PreschoolとKindergartenに通っていました。Kindergartenの途中で帰国したから卒業はしていないんだけど、その2年間で親の立場から見聞きした幼稚園での英語教育について。

 

発音を一つ一つ教えていく

これは一般家庭でもやっていることなんだけど、英語圏で育った子どもでも、英語が生まれつきしゃべれるわけではないので、発音を一つ一つ丁寧に教えていきます。舌の使い方、似た音の違いなど、先生が実際に発音して見せて、そのときの口の使い方をみてまねをする機会が多くあります。これは繰り返し繰り返しすることで、徐々に耳も慣れてくるし、口も慣れてくる。日本の学校ではそんなことしませんね。先生ができないでしょうし、そんな時間もないだろうし、生徒も恥ずかしがってやりたがらないのかもしれません。でもまねをしないとうまくならないし、いい見本がいないとまねは出来ない。

 

まずは書いてみる。スペルは音の通り、間違っていて当然。

アメリカ人の子どもでも英語を”書く”方ははじめの段階では適当です。Nativeの子どもが書く英語は、スペルは音をそのまま書くような感じで、音をとっていけば何の単語かわかりますから、子どもが書いた文章でも大人はちゃんと理解できます。いや、その大人もそうやって育ってきているのですから。はじめはまず書いてみるところから始めて、徐々に正しいスペルを教えていくようです。息子が書いた短い文章をみたアメリカ人の友人は普通に読んでいました。日本の英語教育は”正しい”つづりを教えますが、出発点がそもそも違う。正しいか間違っているかで言えば間違っていて当然なんです。基準は、音が正しく取れているかどうか、通じるかどうか。言葉なんですから、まずは通じればいいんです。後は徐々に修正されていくと。

 

日本での英語の初期の教育は、アメリカの幼稚園でやっているのと、レベル的に変わらないと思いますから、幼稚園の教育、英語の先生にとってはたくさん学ぶことがあるはずです。東京都の中学英語教師は6億円の予算で一人当たり3ヶ月のホームステイをしに行くそうですが、3ヶ月アメリカの大学に行ったところで何の足しにもなりません。どうしても送るというのなら、せめて幼稚園に送って欲しい。英語がしゃべれない人に英語を教えるのに、一番効果的な方法をとるためにどうするのかを考えるべきで、どうもその辺が抜けているのが日本の教育委員会の人たちのような気がします。

 

一番手っ取り早い方法は、英語教師の採用時に、2年以上英語圏に留学した人だけを英語教師に採用することでしょう。2年が適当かどうかはわからないけど、最低でも1年、せめて2年は英語圏で暮らした経験がある人なら、英語をしゃべるってことがどんなことかわかるはず。その上で、幼稚園や小学校の初等教育の現場に留学させるのが一番いい方法です。

 

教育委員会の人が見ていたら、考えてみてください。