受賞には時差がある

 昨夜ノーベル生理学賞に日本人研究者が決まったけれど、そのニュースでコメンテーターが、日本の生命科学、医学の研究は世界の最先端を行っているのですと、さも日本の研究環境がよさそうに言っていましたが、これは大きな間違いだと思っています。

 

 世界の最先端の研究をしていたのは、20年、30年前のことで、それが今になって賞として評価を受けているだけで、今現在の研究は、予算が削られて、環境が悪くなって、制約が多くなって、先細りをして言っているのだと、ノーベル賞受賞者自身が警鐘を鳴らしています。賞として表れてるには時差があるわけで、過去の研究者がいい仕事をしたということなんだというのが実際です。い今現在の研究へのサポートは年々厳しくなっていります。

 

 毎年のようにノーベル賞受賞者が日本人から出ているからと言って、自画自賛するのはただの勘違いだし、受賞した人がした仕事の多くが過去何十年か前のものだったり、海外で行った仕事であることが多いのも事実です。今現在、基礎研究が置かれている状況の実際に目を向けてほしいと思います。

 

大学の研究力低下 交付金削減もう限界
西尾章治郎 大阪大学学長

2016/10/3付
日本経済新聞 朝刊
 

 大阪大学の西尾章治郎学長は、国の運営費交付金の削減が国立大学の研究力の停滞を招いている一因だとして、公的な基盤的経費の維持・拡充が必要だと訴える。

 大学の社会的な存在意義が、教育基本法等の定めるとおり「学術の中心」であることは、改めて言うまでもない。多様で独創的な学術研究は「国力の源」であり、本年1月に策定された第5期科学技術基本計画によれば「イノベーションの源泉」と位置づけられる。ゆえに、日本… 

www.nikkei.com

 

私と科研費 | 科学研究費助成事業|日本学術振興会

 

科研費について思うこと」

大隅 良典 東京工業大学 フロンティア研究機構 特任教授

しかし、昨今の国立大学法人等に対する運営費交付金の削減と、予算の競争的資金化によって、大学や研究所の経常的な活動のための資金が極端に乏しくなってしまった。運営費交付金はほとんど配分されないため、科研費等の競争的資金なしには研究を進めることは困難である。

 

 

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