向かい合えば右も左

 ちょっとまえに、Shunが太鼓の教室で太鼓をたたかなくなったことがありました。Tmが、どうしたのかを聞いてみると、”Shunちゃん太鼓を打つ時に、先生が右手挙げて―と言ったらちゃんと右手を上げてるんだけど、なんでかわからないけどみんなと違うから、太鼓できない”と自信を失ったような声で、説明してくれました。これまでは元気に太鼓を楽しんでいたのに、そのころ急に自信を無くしたようです。教室に来ている中では最年少のShun.お兄ちゃんはガンガン打っていますし、周りは小学生のお兄さんやお姉さんばかりで、年少さんのShunはかろうじてついていっているという感じ。

 太鼓の稽古では、太鼓を円状に配置して、お互いに向き合って打つことが多くあります。先生の掛け声で、右手!ドン、左手!ドンと声をかけながら太鼓を打ちこむことがあるのですが、そのときShunが右手を挙げると、向かいのお友達が逆の手を挙げていることに気づいて困惑していたようです。

 幼稚園では、右手挙げて―と言われたときに、対面している先生は左手を上げます。先生も右手を挙げると、生徒から見たら、見た目に逆の手になってしまうため、あえてそうしてくれているのですが、Shunにはまだそこまでは分からなかったようです。

太鼓の教室では、自分は右手を挙げているのに、なぜか自分の向かいにいる人は左手を上げている→自分が違うんじゃあないか?→右も左もわからず混乱。→自信喪失、という風になったようです。

 なるほど、そういう理由だったのかとTkもTmも感心しました。ちゃんと考えて打っていることの証拠でもあるし、左右を意識して、みんなに合わせようという気持ちで打っていることが明らか出す。

 そこからは、Tmが左右の実演。お互い同じ方向を向いて右手を挙げた状態でくるっと対面になると、あれ不思議、対面の相手は逆の手を挙げています。それを実演しながら説明してようやく納得したようです。

 次の週から自信満々で太鼓の稽古に行くようになりました。

 

 最近は、あっち、こっちだけじゃなくて、右か左かを指定してくれるようになったし、物の位置を聞くときに右か左かを聞いてくれるようになりました。Shunにとっては大きな成長です。