ノーベル賞2014

今年のノーベル賞はうれしい受賞が二つありました。一つは医学生理学賞に、海馬の場所細胞の発見とメカニズムで受賞した3人。神経科学の分野での受賞は久しぶりなので、少しこの分野が活気づくのではないかと期待できます。

 

もう一つは青色LEDの開発研究者の受賞。言わずと知れた中村修二さん。物理学賞での受賞だそうですね。正直、訴訟があったり、研究業界の悪しき体質がいまだにあったりと、手放しでは喜べない関係者もいたのかもしれませんが、象徴的な受賞となりました。皆さん現役でいるうちに受賞されてよかったと、部外者から見ても思います。


ノーベル賞:中村氏「日本に自由ない」、研究環境の改善を - 毎日新聞


ノーベル賞受賞の中村教授「米研究者には自由がある」 :日本経済新聞


単純には喜べない青色レーザーダイオードのノーベル賞。日本ではゼロから1を作った人がリスペクトされるのか? - 竹内研究室の日記

 

 日本には研究の自由がない、という意見をどう思うかと問われたら、やはり自由はないと答えると思います。色んな制約があるし、自由が少ない、サラリーマンとしての態度を求められるし、共同研究者であるはずの同僚からは部下として扱われる。仕組みがはっきりしているようで、はっきりしていないし、いまだに講座制でピラミッド構造を作っている場所が多いですね。

 

 発言ひとつとっても、職場での発言は結構制限されるし、自由な意見を言ってはいけないとか、ボスの方針には批判しにくい雰囲気にあるのは否めません。これって、ボス自身も問題だけど、その取り巻きがかなり悪い影響を作っていると思っています。エライ人は、その人自身がエライのではなく、周りがエライヒト扱いをするから、組織全体でそういう雰囲気になるんでしょうね。まだまだ、立場や人格と、意見の切り離しができない社会だと感じます。

 

 アメリカで自由に研究をできるだけの実力があれば、そっちのほうが精神衛生上も、実務上もいいと思います。