証拠がなければ

昨日の記者会見はダイジェストだけニュースで見ました。当事者が出てきて説明したことはよかったけれど、会見自体は情に訴えるための場に過ぎなかったという印象です。あの会見で小保方さんに好感をもったひとからの支持を集められたでしょうし、理研のこれまでの不透明なやり方(発表時から、調査に関しても)に不信感を持っている人からは、小保方さんへの同情もえられたかもしれません。

 

でも、昨日の会見の内容は、STAP細胞はあると本人は思っていて、証拠はないけど200回実験は成功していて、実験ノートはある。論文の捏造はしたけれど結果は変わらないから撤回はしない。でも、これ以上の具体的な証拠や実験ノートは公開しないし、作成に必要なコツ(があるらしい)も、公にはしない。

 

STAP細胞が実在するかはともかく、証拠がなければ何を言っても認められないのがこの業界だし、言うだけならだれでもできるわけで、実証できない以上何もならない。

 

職業研究者とかかわることがない人はだいぶ心を動かされたかもしれませんが、多分多くの(まともな)研究者はこういう印象なんじゃないかと思います。

 

未熟で自己流の研究者を生み出した日本の大学院

http://d.hatena.ne.jp/scicom/20140410

 

未熟な研究者が、なぜ理研のユニットリーダーに採用されたのか。その経緯は明らかにすべきだし、だれが採用にかかわったのかも公開すべきだと思います。普通、彼女くらいの経歴の人が理研のPIになることは私の知る限りないし、採用した側の責任は大きい。大学院のシステムも検証されるべきだし、こういうことがあると、博士号自体の価値が下がります。ただでさえ、日本の博士号は評価は高くないのですから。