今後の予測が出ない不思議

 原子炉の発熱が上がる中でのハイパーレスキューによる放水冷却作戦の結果、一時のパニック的な状況からは脱したように見えましたが、その後の原子炉の様子はイマイチ分りません。原子炉の温度がまた上がったとか、煙が出たので放水をやめたとか、冷却がうまくいっていないのは海水が原因なんじゃないかとか、色々なニュースが流れているものの、今後どうなるのか具体的な予測が全くといっていいほど出てこないのが不思議です。

まず根本的な疑問が一つ

  • 今、原子炉を冷却する作業をあの手この手でやっていますが、これはそもそも原子炉が安定する事を見込んで作業しているのか?とりあえず場当たり的に冷却しているのか、それとも今後の作業工程を立てて取り組んでいるのか?最終的にコンクリで固めるなり鉄で囲って放射能を出さないようにする最終的な手段はどの時点で下す予定なのか?

今後についての予測というのは

  • 放水や電源供給による冷却装置の回復をして、原子炉を後どれくらい冷却すれば、どういう状態になるのか(どれ位冷却システムが回復すれば、どれ位の期間で原子炉が安定するのか、そのときの放射能漏れはどの時点でどれ位の濃度なのか)
  • 周囲への影響は?水道、植物、家畜などへの放射能の蓄積は、今後どれ位の期間でどれくらいになる事を見込んでるのか?粗くでもいいので予測は出来ないのか?

 この点がニュースを読んでいても全く読めません。データも知識も持っていないものからすれば、政府は場当たり的に放水をして、とりあえず冷却してみよう、ダメだったらそのときに考えましょうという方針で(方針ともいえない)作業をしているようにしか見えませんし、その結果ここ二日ほどの間に”想定外に”広範囲に放射能汚染が報告されてしまい、都心部でも水道水から放射性物質が検出される事態になっているように思います。もしそうだとしたら、このまま済し崩し的に事態が悪化していって、最後は手が付けられない状態にならないとも限りません。誰がリーダーで、誰が決断を下すのか、なにも分らないまま迷走しているんじゃないか、そんな不安をもって見ています。